「青梅の森合唱団」という架空の合唱団の、あれやこれやをマンガでご紹介するコーナーです。(初出：2023年3月)合唱団ならではの“あるある”や、筆者“とおん”が実際にであったシーンだったりもするそうです。
のんびりハハハと眺めていただけましたらうれしいです。
なお、このマンガは、毎月1回発行している青梅市民合唱団の団内広報誌『青梅紅梅(おうめこうめ)』の裏面「裏梅(うらうめ)」に掲載しているマンガでもあります。)
【おもな登場人物】
うま団長：青梅の森の団長。町内のお世話係も担当し、自転車に乗って走り回っている。家族によくケーキを買ってプレゼントするらしい。
くま：青梅の森の副団長。ユズの木を大切に育てて団員におすそ分けしている。おいしいジャムやピールが作れると評判。
さる：らくがきが大好き。どこでもいつでも描いている。副団長兼事務員。
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『チラシ貼り』
青梅の森合唱団では、公演の宣伝活動の一つに、チラシ貼りという作業あり。公演会場である○村市○○○○の場合、公演の1か月前になったら、市内にある社会教育課の掲示板にチラシを貼ることができます。
さて、このチラシ貼り。一般にはあまり知られていない作業かと思いますが、どんなふうにしたら楽に簡単にできるのでしょうか、それとも、手抜きはとうていできっこないのでしょうか。これはその、ある日の宣伝活動のご報告です。
０．貼る前の準備
まず、貼りだすチラシには、○村市教育委員会が承認したというハンコが押されていなければなりません。そこで、掲示板に貼る前に、前もってチラシにハンコを押す作業があります。ホール会場に行き、テーブルをお借りする。各掲示版用に３１枚＋ホール用に２枚＝合計３３枚。それら一枚一枚にペタンペタンと手押しで判を押す、くまさん。インクはすぐには乾かないので、押したら重ねず広げて乾きを待ちます。
１．いよいよ張り込み作業当日
この日の張り込み係は、くまさん、ウマ団長、サルの３人。一同、くまさんの車に乗り込んだのが午前１０時前。一路、○村市へGO！
●車中にて、作戦会議。くまさんから、掲示板の場所が印された地図とそのおおまかな住所が載っている案内図(○村市教育委員会作成)をもらう。
●案内図に書かれた掲示板の場所には、１～３１番までの番号がふられており、その順番でチラシを貼っていく。ただし、この順番は、必ずしも近い順番に並んでいません。書き直しも考えられるが手間がかかるのでこのまま使用する。とにかく、貼りもれがないようにということと、次どこに行くのか迷わないことが肝要です。目の前にまだ貼っていない看板が見えても立ち寄らない。「必ず番号順に回る」というルールで進行することとした。おかげで同じような場所をウロウロする場面もあるが、もれなく立ち寄れる利点はありますぞ。
●貼るためのグッズ：持ち手の長い画鋲。画鋲をさしておくスポンジタワシ。スポンジタワシと予備の画鋲を入れて運ぶ箱。地図用紙に印しをつけるためのマーカー。あとで必要になった軍手。←これらは全部、くまさん御用達品。(さらに小槌もあればなおよしだったかもと、のちにおもい知る。)
●そして、この車で回る作業で最も肝心かつご活躍なのは、「車」とその「カーナビ」。くまさんが、事前にカーナビに、立ち寄り場所を記録してくださっていたので、その案内を頼りに移動すればいいわけです。おお簡単、楽ちん、画期的！
その昔、ウマ団長は自転車で貼ってまわったとか…。
２．張り込みの手順
目的の看板を発見したら、くまさんは、すみやかに車を近づけ安全な場所に停車。張り込み要員のウマ団長がチラシを持ち、さるが画鋲箱を持って降り、掲示板にチラシを貼るわけなんだが…
掲示板が異様に固くて画鋲が入らない。ぐりぐり押すも、びくともせず。ウマ団長が渾身の力を込めて対応、なんとか収めて終了。だがしだいに指が赤く腫れてくるので、軍手をはめて応戦。かなり緩和するものの、なかには頑固な掲示板があり、苦戦する。次回からは、小槌もほしいところである。
３．休憩その1
当初、任務は２時間で終わるだろうと予想していたが、なぜか道路が渋滞。また、車が通れるぎりぎりの狭い道をウネウネクネクネ。停車しようとすると、後ろからバスがやってくるわ、看板がなかなか見つからないわで予定時間をすぎていく。トイレがやばい。休憩いたさねば。「産直農産物直売場」の駐車場にてトイレに駆け込む。ここは掲示板もあり、一石二鳥でした。
ときに、掲示板のある場所として、○村市には公園が何カ所もありました。ウマ団長に教わったところによれば、「開発地域の土地の面積のうち、３％を公園などにしなければならない」という決まりがあるそうな。○村市は、もしかするとそれ以上たくさんあるのではないかと思うくらい、あちこちに公園があるようです。桜がちらほら咲いていて、まあなんとも気持ちがいいこと。
そして公園といえば、以前、くまさんが冬に一人でこの掲示板張り込み作業を請け負ったときには、くだんの公園のトイレを借りて難を逃れたという。われら貼り込み隊が車でその公園のそばを通るとき、くまさんは、「ほら、あそこがそのトイレ。公園のトイレにはずいぶんお世話になりました」と懐かしそうに話していました。
４．休憩その２
張り込み作業のスタート時は一同元気はつらつでワイワイと作業をしていましたが、やれ半分終わった、あと３分の１だというあたりにもなると、しだいに疲労の色濃く、口数少なくドンヨリ気分。
運転して移動しているのですから、これは危険信号。そこでまたしばしの休憩。コンビニへ。
なんと、くまさんが、われらお供のウマ団長＆サルのために「きびだんご」ならぬ「缶入りコーヒー」をごちそうしてくれました。生き返りますなあ。
５．張り込み解散
最後の１枚を貼り終わったのが、午後２時ぐらいだったろうか。帰路の車中は、沈黙と睡魔が漂う。帰宅したら、昼ご飯を食べて、ちょっと眠るかねえ、などと話しつつ解散。この日は、夜、青梅の森合唱団の通常練習がある日でした。
【おまけ】
さてと。貼ったチラシははがすわけで。公演が終わったら、はがし作業。もう一度貼った場所を巡るのです。「貼ったチラシはそのままで、次に何かを貼る人が、終わったチラシをはがしてくれるってルールにしてくれないかなあ」と思うサルでありました、とさ。(おしまい)
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2023年3月
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